Nakanooenooji_Nakatominokamatari
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第二部◎乙巳の変3434 蘇我本宗家の後ろ盾だてを失って出家した古人大兄皇子だが、謀む反ほんの疑いで殺される。『日本書紀』と『家か伝でん』でその発覚経路に違いはあるが、古人大兄皇子の誅ちゅう殺さつを指し揮きしたのはどちらの記事によっても、中大兄皇子である。そして、古人大兄皇子が死んだことで、蘇我本宗家とそれに繋がる有力者の排除が完了し、乙巳の変が完結したということができるであろう。 乙巳の変後の政治体制は、基本的には天皇に権力が集中する、百くだら済型ということができるだろう。ただし、前天皇の存在や皇太子・中大兄皇子など、完全に天皇一人に権力が集中していたわけではない。唐とうと直接対峙した朝鮮半島諸国との緊張感の違いが、現れているようにも感じられる。

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